絶望している人向けのタイトルが素敵な逃避名言集

「特に深刻な事情があるわけではないけれど、私にはどうしても逃避が必要なのです 著者:山口路子」 オススメしてもらって読んだ本。著者である山口路子さんが絶望している人に対し「自分と似た人にエナジーを贈りたい」という気持ちで刊行したのだそう。

山口路子さんは"ココ・シャネルという生き方"がベストセラーになった作家で、芸術家やアート、また女性の生き方をテーマにした著作が多いようだ。

もうこのタイトルだけで私は「あるあるあるある」と言いたくなったし、そんなタイトルの素敵さを表紙から感じられる。ちなみに、このタイトルはフランスの作家がパートナーに向けた"書き置き"を、少しだけ変えたものなのだそう。

本の中身はと言うと、作家や詩人、芸術家が残した心に響く名言や映画のセリフなどが紹介されており、それに付け加えて山口さんの思いや考えが書かれている。様々な小説などの一節を知ることが出来るのも、この本の面白いところだと思う。

序章では早速「逃避はいけないことなのでしょうか」と書かれており、続いて「私は肯定します」と著者は言っている。私は、常に仕事や人間関係、未来、過去などから逃避したいと思い続けている人間なので、こうして肯定してくれる人がいるというだけで心強い。

《「前向きに生きる」から逃げたい》《「世間」から逃げたい》《「良識」から逃げたい》というような見出しが12章まであり、それぞれの見出しの関係する内容の目次で構成されている。それらの中から、私が気になった目次をネタバレしない程度に少し書き出してみる。

上昇志向が弱いほうが幸せになれる確率が高いのです

自分を客観的に見つめ、"満足のノルマ"をどこに設定するのか、それにより幸せになれるかどうかが変わる。自分を客観的に見つめられない人は、自分の脳力や立場などが分からずかけ離れた上を目指してしまうもの。

私も一時期、自分を客観的に見る事が出来ていない時期があったような…無かったような。いやあったかな、婚活している時。自分とは釣り合わないかもしれない、ちょっと上の人ばかりに目が行ってしまう…なんて事は30代婚活女性にありがちかも!?しれない。

つまらないことをし続けると頭が麻痺します

ここで言う"つまらないこと"というのは、"自分がやりたくないこと"とも言い換えられる。この本にも書かれているが、私のやりたくないこと・つまらないことは、作り笑顔と社交辞令・飲み会参加。

我慢して自分の心に嘘をついて、「これが大人」と自分に言い聞かせて偽って。それに慣れてくると、頭が麻痺してきて、いつか自分の本音がどこにあるのか分からなくなる日が来ると思う。

誰とも分かち合えないのは、当たり前のことです

私が悩んでいたとして、その悩みを誰かに相談したとして、相談を受けた人が「そんなことで悩んでいるの?あはは」と笑ったとして。その人にしてみれば「そんなこと」なのだけれど、私にとっては大切な事。

その人と私では大切な事の種類も重さも何もかもが違っているし、私には他の悩みもあってそれとコレとが絡み合っている事もあるわけで。分かち合えないのは当たり前なのだから、悲観することはない。

世間が避難する部分を育てるべきです

ジャン・コクトーというフランスの芸術家の名言が書かれている。この芸術家は社交的ではあったものの、どの芸術家グループにも属さず、"自分の内部から生まれない秩序には従わなかった"のだそう。こういう生き方はなかなか真似できないが、だからこそカッコいいと思う。

以上、私が気になった目次4つでした。私が気になるものというのは「自分の生き方に対して世間を気にするのではなく、自分の気持ちに正直であるべき」という内容のものが多いかな。

これを読んでいると名言を残している作家の小説や芸術家の作品、また本人の人間性を知りたくなるので、この本から様々な方向へ趣味が広がる可能性もあり、長く楽しめる本だと思う。