ある日突然ストレスで顔面神経麻痺になってしまった体験談

今から10年程前、25歳の時に"右顔面神経麻痺"になった。顔の筋肉を動かす神経が麻痺してしまい、目・鼻・口などが動かなくなる病気だ。私は右側に症状が出た。

その日私は、いつも通り朝起きて顔を洗った。そして歯磨きをし、口をゆすいだ時に小さな違和感を感じた。口の端から少量の水がこぼれたのだ。「ん?」とは思ったが、その時は特に気には止めなかった。

いつも通り仕事に行き数時間が経った頃、目に違和感を感じ始めた。目の違和感は口とは違い明らかにおかしいと思った。瞬きをしても目が完全に閉じていないような感じがしたのだ。

自分の顔に何か異変が起きている事を察知し、すぐに症状をネットで調べた。画面に出てきたのは"顔面麻痺"という言葉。顔面麻痺は耳鼻咽喉科を受診すると書かれていた。

というわけで、翌日仕事を休み総合病院へ。耳鼻咽喉科を受診し、そのまま脳のCT検査と血液検査を行った。医師が言うには顔面神経麻痺の原因はウイルス性が3割、ストレスなど原因不明が7割なのだそう。私の検査結果は原因不明のものだった。

確かに当時の私は仕事の人間関係でストレスを感じていたから、それが原因かもしれない。

顔面神経麻痺は症状が出たら1日でも早く受診した方が良いとの事。ネットで調べて総合病院の耳鼻咽喉科を受診したのは正解だった。

そして医師から今後の治療の説明がされた。まず今日から2週間毎日点滴を打つ。しかし点滴を打ったらすぐに治るというものではなく、症状の進行は止められないと言われた。1週間後くらいに症状はピークになり、その後徐々に治っていくのだそう。

ただ…

顔面神経麻痺は「薬を使えば必ず治る」という病気ではないそうなのだ。早ければ1ヶ月くらいで良くなるが、半年たっても治らない人もいる…との事。怖すぎる。

医師の言うとおり麻痺の症状は悪くなっていった。まず目が閉じられないので常に涙が出る。寝る時も完全に目が閉じないので眼帯をした。そして口からはご飯がボロボロと溢れる。

唇を突き出すと(チューみたいな顔)口が左に引っ張られる。ストローでジュースを飲む時にも左に引っ張られる。リアル"ひょっとこ"だ。笑った顔も気持ち悪かった。左は笑っているのに右は動かないから。人に表情を見られるのが嫌で、常にマスクをして過ごした。

ネットで調べるとマッサージが良いと書かれていた。次の日医師に「マッサージは効果がありますか?」と聞くと「あまり効果は期待出来ないと思うが、やっても構わないよ」と言われた。

1週間後に症状はピークを迎え、その後は徐々に徐々に動くようになり医師の言うとおり1ヶ月程で治った。

私の症状は軽い方で、治らない人は入院したり民間の鍼治療を行ったり、数ヶ月~数年経っても治らない場合もあるようだ。いつ治るか分からないというのはかなり辛い。

タレントの松居一代さんは息子さんのアトピー性皮膚炎で悩み、ストレスから顔面神経麻痺を経験している。どんなに体が健康でもストレスを甘く見てはいけない。ストレスから発症する病気というと"うつ病"が代表的だが、こういう病気もあるという事を知った出来事だった。