服飾品への興味が失せていたストレス期があり、そして今は

先日、自宅から少し離れた場所にあるブックオフの大型店舗に行った。ぶらぶらと本を見に出掛け、ついでに服飾品も見た。大型店舗であるブックオフ・スーパーバザーは、中古の服飾品やブランド品、生活用品や楽器なども販売している。

「なんでも買い取るんだな」と感じるほど洋服の数は多く、"いかにも不用品"という感じの物が多かった。これだけ大量の古着があると、それぞれの家庭の空気が混ざりあって独特な匂いを醸し出す。

なので私は、コートやバッグ等ならいいのだけれど、Tシャツやカットソーのような肌に直接当たる古着は少し苦手だ。

ブックオフ・スーパーバザーは不要品という感じの服も多く扱っているけれど、ファッション雑誌に載るようなブランド物も売っているので、よく探せば掘り出し物もありそうだった。

私はさらっと洋服を見た後、靴を見に行った。古着となるとスニーカーはちょっと嫌だなと思う。けれど、パンプスならいいかなと思う。

これは私の中で明確な基準があるわけではなく、なんとなくそう感じるだけ。スニーカーにはその人の汗が染み込んでいる気がするけれど、パンプスなら綺麗に拭けば問題なさそう、というイメージ。

私はパンプスが好きだ。夏でもサンダルを履く事はほぼなく、パンプスを履いている。パンプスを履いた自分の足元に視線を落とすと、自分が女性である事を認識できる。パンプスを履いている足元を見ただけで「お、私結構女っぽいじゃん」と自分を褒めたくなる。

ここ4年ほど、職場での精神的な疲れで休日は自宅にこもる暮らしをしていたので、まるっきりオシャレなんてしなくなっていた。さすがに出掛ける時には気を使っていたけれど、デートの予定も無ければ友人と会う事も年に数回なので、持っている服を着回せば十分に事足りておりオシャレへの興味も失せていた。

パンプスも買わなくなった。違うデザインのものが2足あれば足りていたから。私は高いヒールや細いヒールは苦手で、履くのは太めで6cm以内のヒールと決まっている。しかし見た目が好みで足にフィットし、ヒールが高くなく、さらに値段的にも納得できるものはなかなか見つからない。探す事も面倒だった。

私にとってオシャレをするという事は、"面倒くさいし必要無い"ものになっていたのだけれど、最近は少しばかり意識が変わってきた。男性と知り合ったからだ。

オシャレをして会いたいという気持ちの前に、まず手持ちが足りない。年に数回友人と会うだけだったので、いつもデニムパンツに同じパンプスで出かけていた。デートに着ていく服が無く、その為最近は洋服を買う機会が少し増えた。

そんな中、ブックオフの靴売り場で、たまたま目に付いたパンプスがあった。色はエナメルのピンクだ。私はピンク色は好みではない。でもヒールの高さと太さが好みだった。別に買うつもりはないけれど、なんとなく足を入れてみた。

するとこれが、シンデレラかと思うほど足にピッタリとフィットした。靴底はクッション性があり「歩いたら痛くなりそう」という不安を感じさせない。

思わず両足を入れて歩いてみた。なんという安定性。使用感が全く無いわけではないけれど、目立つ傷も汚れも無い。まだまだ数年使えそうな代物だった。

しかも値段が、値段が。…たったの1,200円。私は思わずスマホを手に取り、靴底に書かれている英語の文字を検索した。下衆な行動ではあるが、この靴がどこかのブランド物なのかを知りたかったのだ。1,200円が得なのかを知りたかった。

検索するとZOZOTOWNで7,800円で売られている事が分かった。私の脳は「お得ですぜ」と判断したわけだが、しかし…ピンクだ。私はパステルカラーは好まないし、年齢的に無理があるだろうと思った。

しかし履いて鏡を見てみると、それほどピンクではないかもしれないと感じ始めた。結構肌の色に馴染んでいる気がした。ピンクと言ってもくすんだピンク。ピンクベージュだ。ピンクベージュならいいのではないか。アラフォーでもこの色ならいいのではないか。それに、よく見ると綺麗な色だ。

私は1,200円を支払いそれを買って帰った。自宅に戻ってデニムに合わせて履いてみた。鏡に映った私の脚は少しばかり太めではあるけれど、春らしくて想像以上に良かった。普段使わない色味に「いかにもオシャレをしている」という感じがして、その久しぶりの感覚に胸が高鳴った。

鏡に映る少々太めだけれどピンクベージュのパンプスで良い感じに誤魔化された自分の足元を見て、すぐに私は「春になったらスプリングコートにこのパンプスを合わせて彼に会いに行こう」と思った。

相変わらず、世の女性達ほどオシャレやメイクなどには興味が無いけれど、でもこんな風に服飾品に心ときめかせた私は、きちんと前に進めている気がした。