昔の友人の事を思い出し、これが縁というものかなと思った話

先日、いいなと思っている男性と水族館に行った。私はその水族館に行くのは初めてではなく、10年以上前にも1度足を運んだ事がある。まだ23か24歳の頃だったか。私がふと女の友人に「○○水族館行ってみたいな」と言うと、その子が「行こう行こう!」と誘ってくれた。

私と友人が住んでいた町からその水族館までは電車で1時間半ほどの距離があった。当時ヘビースモーカーで怠惰で出不精で、全く体を動かす事が無く、駅まで徒歩10分でも遠いと感じるほど体力が無かった私にとって、電車で往復3時間という移動距離と広い水族館を一周するという1日がかりのプチ旅行は、楽しさよりも疲労の方が勝ってしまい、魚を見た記憶が殆ど無い。

7年前にタバコをやめ、毎日歩数計を持ち歩くようになり、当時に比べると格段に体力がつき、今回は何の疲れも無く1日を楽しむ事が出来た私は、そんな20代の頃の話を彼にした。彼は「体力ついて良かったね」と笑っていた。

その友人と最後に会ったのは確か4~5年前。それまでは年に1度か2度、私から連絡をしてはランチやお茶をしながら近況報告をし合っていたのだけれど、彼女に不幸な出来事があったので私は一旦連絡を控える事にし、そしてそこからなんとなく疎遠になってしまった。

また、その友人は10代の頃から将来の夢を持っており、それに関係する人付き合いが多く、いつも忙しそうにしていた人なので、私は「忙しいかな」と余計な事を考えたり、"今さら感"を感じてしまったりで、なんとなく連絡をする事に気が引けてしまい、気が付けば連絡を取らなくなって4~5年という年月が経ち、そして友人との仲が終わった事を悟った。

そんな昔の事を彼と行った水族館で思い出した翌日、思いがけない出来事があった。その友人から急に連絡が来たのだ。LINEで「ふと思い出したから連絡したよ。元気にしてるかな?」と。"何気なく考えていた相手から偶然連絡が来る"という体験をした事がある人は私だけではないと思う。こういう事って時々あるけれど、本当に不思議だ。

東京生まれ東京育ちの彼女は今、結婚して関東の別の土地に住んでいると言う。結婚したと聞いた時は、正直ショックだった。個性的で我が道を行くタイプで、結婚とは程遠い女性だと思っていた彼女が普通に結婚していた事に驚いた。そして、"37歳未婚"という心の奥に抑圧された劣等感のようなものが見え隠れするのを、自分自身に感じた。

彼女から「そっちは最近どうなの?」と聞かれたけれど、彼女と疎遠になってからの4~5年の私と言えば、悩みやストレスを抱えて人に会う事が嫌になったり、男性とも良い縁に恵まれなかったりで、なんの変化も無い暮らしをしていたので、報告できるような事は何もなく「こっちは相変わらず独身で、気ままな一人暮らしだよ~!(笑)」と言うしか無かった。

彼女は結婚し住み慣れた町を離れ、私は当時と何も変わっていない。そんな自分の暮らしを恥ずる気持ちと、「結婚した」と数年ぶりに連絡をしてきた彼女に対して「幸せアピールをしたかったのだろうか」という嫌な思いが生じ、ほんの少しイライラした。

けれど、彼女から「もし良かったら、またランチ行ってほしいな」と誘われた事は嬉しかった。私の事を思い出して「会いたい」と言ってくれる人なんてそうそう居ないから。人間関係が希薄な私にとって、誰かから誘われるなんて事は滅多に無い事だから。

もしかしたら「また行こう」なんて、よくある社交辞令に近いものかもしれなくて、何だかんだ言って結局会わずじまいになる可能性も大いにあるけれど、でも思い出してくれた事は嬉しかった。

こういうものを"縁"と言うのだろうと思った話。