女としての自己否定感と、男性を見て人恋しくなる秋のパワー

会社に素敵な男性がいる。働いている場所が違うので、私の職場には半年に1度程度しか顔を出さない人だ。見かけると「素敵だな」と心が躍る。それと同時に素敵な彼と自分の存在を比べてしまい、私の中にある少しばかりの劣等感がひょっこりと顔を出す。

職場では能面顔であまり喋らず浮いている存在の私なので、彼が来た時にだけ満面の笑みでペラペラと話しかけるなんて事は出来るはずもなく、時々チラ見をしては心の中でニヤリと笑う、少々気持ちの悪い36歳独身女になる。

彼の年齢は40代半ばで、会うと「能面さん久しぶりだね。元気?」と眩しい笑顔で声をかけてくれるTHE・立派な社会人。そんな彼の笑顔に、私は満面の笑みで返す事が出来ず、また自分の中にある劣等感がムクッと顔を出す。

こんな風に書いていると「もっと積極的に行かなきゃ!」と感じる方もいるかもしれないけれど、残念ながら彼は既婚者なのでどうにかしたいと思っているわけではない。彼はただただ素敵であり、素敵であるが故に私の中の小さな劣等感を刺激する男性。

昨日も彼を見かけ、いつも通り上手な笑顔を向ける事が出来ず、少しの劣等感と同時にセンチメンタルな気持ちになったのは秋が訪れているからかもしれない。夏が終わって涼しくなりかけてきた、誰もが人恋しくなる季節。もれなく私も目の前に現れた男性にときめき、話してみたいなと思ったけれど、やはり声はかけなかった。

彼を見ていると、年の離れた既婚男性を好きになった20代の頃を思い出す。彼もとても素敵な人で、いつも私は彼を見てポヤ~としていた。その頃の私は、彼よりも13歳年下という自分の若さを武器にして、積極的に行動していた。今の私ならもちろん既婚者に近づく事はしないけれど、当時は若気の至りだった。

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今の私は、素敵だなと思う男性が現れても自ら話しかける事は出来ない。既婚者だからというのもあるけれど、彼が独身だとしても話しかけられないと思う。私の中には「好きになってもらえるわけがない」という"女性としての"自己否定感が存在している。

「きっと私の事を深く知れば離れていくだろう」「男性は私のような女性を好まないだろう」そんな気持ちを払拭する事が出来ない。じゃあ男性が好みそうな女性になる努力をする?それも違う。私は私のままでいたいのだから。

そんな事を考えているうちに歳をとり、あの20代の頃の積極性はどんどん失われていく。しかし、私は年齢に劣等感を感じているわけではない。若作りはしたくないし、年相応に見えるようにしていたい。36歳という年齢を恥ずかしいなんて、もちろん思わない。

けれど、世間的にはそろそろオバサンの仲間入りでしょう?男性はもう少し若い人が好きでしょう?その上私は人から好かれるタイプでもなく、しかしその性格を変えるつもりも無く、自分はこのままでいたいと感じてしまっている。

ああ、こういうのを「こじらせている」と言うんだっけ。

"若さというだけ"の自信があった頃には戻れない。若さという自信の代わりに別の何かを持たなければ、いつまでも出会いのチャンスを見送る事になりそうだ。そんな私に必要なものはおそらく…根拠の無い自信と、傷つく事を恐れない勇気?

結婚には固執していない私だけど、そんな私も人恋しくなってしまう秋のパワーおそるべし。