蛭子能収さんの「ひとりぼっちを笑うな」を読んで良かった

ひとりぼっちを笑うな [蛭子能収] ひとことで言うと、買って良かった。面白かったし、興味深かったし、自分と価値観が似ている人がまた1人見つかって嬉しかった。

私が今まで蛭子能収さんに抱いていたイメージと言えば、本業は漫画家で、スーパージョッキーで熱湯風呂に入らされ、いつもヘラヘラしながら頭を掻き、バラエティ番組で面白おかしく使われている人。

それでいて時々すごく我が強くて、すごく棒読みのセリフ回しなのに何故か結構役者業もしていて、ギャンブル好きで、麻雀賭博で逮捕歴があって、周囲から「ダメな人」と言われている人。そんなイメージだった。

蛭子さんに興味をもったのは、「中年に新しい友達って必要?人間はひとりで死んでいく 蛭子能収さん」という記事を読んだ事がきっかけ。(関連記事:蛭子能収さんの言葉に私の心はズッキューンと射抜かれた

その記事を読んだ時「蛭子さんって結構ブラックだな…(ΦωΦ)フフフ」と感じ、私の心は刺激されワクワクした。もっと情けなくて何も考えていないおじさんだと思っていたけれど全然そうじゃないんだな、と。

その後、あるテレビ番組で蛭子さんが過去のギャラの話をしていて「スーパージョッキーでの熱湯風呂のギャラは20万円だった。1日2本撮りなので2回熱湯に入ると40万円になる。ある時、同級生に『お前あんな情けない仕事するなよ』と言われたが、僕は彼らの月給分をたった1日で稼いでいるのだからやめられるわけがない」と言っていたのを見て「カッコいい…」と私のハートは痺れた。

そんな風に蛭子さんに心惹かれたのだけれど、今まで漫画も著書も読まずにいた。というのも蛭子さんは「こんなオレでも働けた」「正直エビス」「ヘタウマな愛」という3冊のエッセイを出しているのだけど、どれも1996年、2002年、2007年と出版してから少し時期が経過している。

私としてはなるべく最近のものを読みたかった事と(人の考えは年月の経過と共に変わる事もあるので、なるべく最近のものを読みたい)、漫画は見た感じ「グロそうだな」という印象があり、私が苦手な部類のような気がしたのでこちらも読まずにいた。

そして今月18日に、この「ひとりぼっちを笑うな [蛭子能収]」が発売されると知ってすぐに注文したのだ。

この本は「あなたは、あなたのままでいいんだよ」というような自己啓発系かなと思っていたけれどそうではなく、蛭子能収さんが「僕はこういう人間です。僕はこんな考え方や価値観を持っています」といった感じで進んでいくので、押しつけ感が無く読みやすい。

読んでいると「それ分かるな」「私も同じだな」と感じる部分が多い。一部「ちょっと矛盾している?」と感じた所もあったけれど、そもそも人間の考えや感情は矛盾が多いのだから、そういう意味では正直な思いを語っていると言えるのかもしれない。

私は蛭子さんに対して「結構ブラックな人」と思っていたけれど、読んでみて印象は変わった。蛭子さんは想像以上に内向的で平和主義者だ。

そして良い意味で頑固で自分軸を持っていて、自身の性格をよく分かっていて、それを上手く生かしている人。本書の中では"内向的"という言葉が何度も出てくるけれど、本当に「THE!内向的」という感じで、私はとても好感を持った。

私は、このブログでも書いた事がある中島義道さんや池田清彦さんの、考え方や人との関わり方が好きなんだけれど、やはり蛭子さんも彼らと似ているなと感じた。群れない、余計なお節介はしない、個人主義で自由。

蛭子さんは「葬式には出ない。結婚式にも行きたくない」と言っている。理由はどうであれ、そんなところは中島義道さんと似ているなと感じたし、また「例えば友人が風邪をひいて寝込んでいても見舞いには行かない。なぜなら相手がそれを望んでいないかもしれないから」という辺りは、池田清彦さんに似ているなと感じた(私個人の感想で、実際に池田清彦さんがどう行動するかは分かりませんが)。

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蛭子能収さんの価値観が凝縮されたこの本を読んで、少し迷いが生じていた私自身の価値観を改めて「大切にしよう」と感じる事が出来た。ひとりぼっちを笑うな!