家賃も含め1ヶ月10万円の生活費で、一人暮らしは可能か?

将来に不安を感じ「今よりも年収を増やしたい」や「安定した正社員に就きたい」という思いから資格の勉強をしたり、転職・就職活動をしたりする人は多い。

特に30代も後半に突入すると親が老い始め、40歳になれば健康保険から介護保険料が徴収されるようになり、自分の老後についても今までより身近に感じるようになる。そして若い頃に思い描いていた眩しい未来よりも、現実的な将来を想像するようになる。

36歳という年齢の私も将来に不安を抱えていないわけではないけれど、かと言って「年収をアップさせる為、安定の為に資格の勉強をしよう!転職活動をしよう!」という気はさらさら起きずにいる。

それはなぜなら、会社員としての労働意欲がゼロだからだ。「私は社会性に欠けていて人間関係不得意だから会社勤めには向いていない」と自ら発言すれば、誰かに「開き直って甘えているだけじゃないか!」と叱責されそうだけど、まさに私は怠け者で働く事が嫌いだ。

厳密に言えば労働自体が嫌いというよりも、やはり結局のところ、他人との密接な関わりが苦痛なのだ。しかし、どんな労働形態にしても外に勤めに出る以上、人との関わりは避けられない。労働=人との関わりと言ってもいい。

一般社会に馴染めない性格の私が、これからずっと週5日働いては、人間に揉まれながら生きていくのか…と考えると、正直ヘドが出そうな気持ちになる。

さらに20代を怠けていた私は、世間で言う低所得の部類に当てはまるのだけれど、いずれおそらくパートかアルバイト労働者になって今よりさらに収入は下がり、年収200万円以下の"ワーキングプア"になるだろうと思う。

それが想像出来ているにも関わらず、それでも「今の年収を維持しなければ」という強い気持ちにならないのは、ワーキングプアでもいいから職場で人と関わる時間を減らしたいと思っているから。なので、頑張って年収を維持したり、今より多くの収入を得る事よりも、なるべく少ないお金で暮らす術を身につけたいと思っている。

そんな私が常に考えている事は「最低いくらあれば暮らしていけるのか?」という事。そんな事を考えている時、"キョウコさん"に出会った。キョウコさんは群ようこさんの作品「れんげ荘」に出てくる45歳の主人公だ。

キョウコさんは大手広告代理店に勤める高所得なキャリアウーマンだったが、ドロップアウトして無職の人生を歩み始めた。初めての一人暮らしに選んだ住まいは、風呂トイレ共同のボロアパート。

夏はカビやナメクジと戦い、冬は部屋の中に雪が降り、寒さで電気ストーブから離れられないという暮らし。そんなアパートで、数千万円ある貯金を毎月10万円ずつ切り崩して暮らしている。

それを読んだ私は「家賃含めて10万円で暮らしていけるものなのか?」と疑問に思った。…というか、暮らしていけるのなら私も将来に希望が持てるなと思った。私にはキョウコさんのような貯金は無いので無職にはなれないけれど、ワーキングプアでも暮らしていけそうだな…と。

キョウコさんの部屋の家賃は3万円。情景描写から街は東京の下北沢かなと思う。人気の街、下北沢で家賃3万円なら相当ボロいアパートでも仕方ないが、私の地元(地方都市)なら3万円でもマンションに住める。

実際に私がキョウコさんのような暮らしをしたら、どのくらいの生活費になるだろうかと計算してみた。年収150万円程あるとして。

家賃3万円、食費+生活用品2万円、携帯代2千円、光熱費8千円、サプリメント2千円、医療保険2千円、国民年金1万5千円、国民健康保険7千円。

この時点で8万6千円。さらに住民税と病気になった時の医療費も合わせると10万円程になる。食費と光熱費をもっと節約できれば多少は小遣いが捻出できるかもしれない。

少々厳しいか?いや、結構暮らしていけそうか?とりあえず泣くほど辛いという事はなさそうだ。れんげ荘を読み「なんだか私も、やっていけそう♪」と楽天的な気持ちになった。

もちろん、もし入院したら?引っ越しする事になったら?バイトをクビになったら?と考えればキリがないが、「やっていけそう♪」という楽天的な気持ちになる事に意味がある。